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Q.

債務整理の種類と特徴は?

A.

債務整理の種類は、
大きく、①自己破産②個人再生③任意整理に分けられます。

①自己破産

自己破産は、裁判所に申し立てて行うもので、
破産手続開始とともに借金を免除してもらう免責許可の申立を行い、
これが認められれば、
養育費・税金・罰金等を除く借金の返済義務が免除されます。

その反面、

  • 支払不能であることを示さなければならず
  • 生活に必要な財産(現金99万円)を除く高価な財産(価値が20万円以上のもの)は、債権者への配当のために手放さなければなりません

破産手続が開始されると、原則として、
裁判所が選任した管財人が、
財産を集めて換価したうえで債権者に配当したり、免責不許可事由について調査したりします。

免責不許可

免責不許可事由とは、
ギャンブル等の浪費による借金や、特定の債権者のみへの返済等で、
免責不許可事由がある場合には免責(借金の支払義務の免除)が不許可となりますが、
裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができるものとされています(裁量免責 破産法252条2項)。

同時廃止

換価すべき財産や、免責不許可事由がない場合には、管財人が選任される管財事件にならず、破産手続開始とともに破産手続廃止が決定する同時廃止という方法が取られることがあります(「裁判所は,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは,破産手続開始の決定と同時に,破産手続廃止の決定をしなければならない。」(破産法 第216条 第1項)。

管財事件に比べ、同時廃止手続は、管財人に支払う予納金(20万円程度)が不要となり、手続き終了までにかかる時間も格段に短いことから、
弁護士が自己破産申立の依頼を受けた場合には、裁判所に同時廃止を認めてもらえるよう、調査・準備をします。

②個人再生

個人再生は、
自己破産と同様に、裁判所に申し立てて行う手続きですが、自己破産と違い、
高価な財産がある場合でもそれを手放すことなく、

  • 債務を大幅に減縮したうえで、
  • 原則3年(特別の事情がある場合には5年を超えない範囲で伸ばすことが可能)での分割返済が認められます。

小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2つの手続きがあります。

「小規模個人再生」は、主に,個人商店主や小規模の事業を営んでいる人を対象とし、
「給与所得者等再生」は、主に、サラリーマン(給与所得者)を対象としているとされていますが、実際には、サラリーマンなどの給与所得者の方も、「小規模個人再生」の手続きを選択することができます。

住宅ローン債務がある場合

さらに、住宅ローン債務がある場合,「小規模個人再生」または「給与所得者等再生」手続の申立をする際に,住宅ローンについての特則を希望する旨付け加えることができ、ローン支払い中の自宅を失うことなく再生手続をすることが可能です。

個人再生の要件

個人再生の手続きを利用できるための要件として、

  • 借金などの総額(住宅ローンを除く)が5000万円以下であること
  • 将来にわたり継続的に収入を得る見込みがあること

という2点がありますが、
「給与所得者等再生」の場合には、さらにもう一つ加えて、「収入が給料などで,その金額が安定していること」が必要です。

個人再生手続によって、債務の大幅な減額や、3~5年の長期分割が可能となることから、債権者への不利益が大きいため、
「小規模個人再生」の場合、再生計画案に対して債権者の「同意」が必要となります。

これに対して、「給与所得者等再生」の場合は、裁判所の許可で足り、債権者の同意は不要です。

返済額

最低返済額については、
およその目安となる「100万円」か「総額の5分の1」のいずれか高い方(債務総額が100万円以下の場合は全額。債務総額が1500万円以上の場合は300万円か総額の10分の1のいずれか高い方。)という算出方法に加え、
「給与所得者等再生」の場合は、さらに、
「自分の可処分所得(自分の収入の合計額から税金や最低生活費などを差し引いた金額)の2年分」の金額とを比較して、多い方の金額を返済することになります。

そのため、「給与所得者等再生」手続を選択した方が、返済額が高くなる場合が多く、
給与所得者であっても「小規模個人再生」手続を選択する場合が多いです。

③任意整理

任意整理は、自己破産や個人再生とは違い、
裁判所を通さずに、債務を整理する方法です。

そのため、手続にかかる時間や費用の負担も少なく、また、すべての債権者を対象としなくても良いため、一部の債務についてだけ整理することも可能です。

債権者に対し、債務の減額や、長期分割返済の合意を求めて、任意の交渉を行っていくのですが、
将来の利息や既に発生している遅延損害金のカットには応じてもらいやすいものの、
元本のカットはなかなか応じてもらえないので、個人再生のような大幅な債務の減額は難しいです。
また、長期分割返済に応じてもらえるかも、債権者次第となります。

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